コールセンターへの活用
コールセンター実務者会議」設立のご案内
昨今の社会・経済環境の激変を鑑みますと企業が生き残るうえでは、顧客から選ばれる企業であることが必須であり、そのためにはES(従業員満足)とともにCS(顧客満足)が求められ、多くの企業は顧客満足を掲げていることは周知のとおりでございます。そして多くの企業は、カスタマーサービス、ヘルプデスクあるいはお客様相談といった、いわゆるコールセンターを開設しております。しかし、一方ではコールセンターで働く人の大半は派遣社員であるというのが現実で、コールセンターの「仕事」を職能として正当に評価をする仕組みがないのが実態といえます。何よりも、「業界」としての認知が明らかではないことが、CSを支えるESの根本的、本質的改善に至らない原因にもなっています。これは紛れも無く、厚労省、経産省などの行政支援を受け、職能やキャリアデザインを明確にする機会を損なっているのです。
そこで、当協会は、コールセンターの位置づけをサービスのフロントラインに従事する就業者と広く捉えて、コールセンターの「仕事」について、コールセンター運営を行う企業の目線からだけではなく、「働く方々の目線」「現場が求める従事者の目線」から「コールセンター従事者が本来求めている職能」を職能資格として検討する場として「コールセンター実務者会議」の実施を考えております。その第一歩として、2010年4月より札幌市にて行われる新規就労者基金訓練(新規分野)で、コールセンター就労教育を受託する企業を支援することにいたしました。さらに、職能評価の基本となる「電話応対・web応対等の技術理論の体系化」を目指し、公開講座の開設等を企画しています。
今、コールセンター業界に必要なのは、働く人たちが、プロとして適正な人材評価を得ることにより、適正な賃金を得る仕組みを整えるための日本標準の資格です。コールセンターの「仕事」を職能資格として日本標準で評価し、「働くことを支援する」、「プロとしてのサービスを提供できる」資格認定制度の確立が必要です。そしてそれは「高いところ」からではなく、現場から「なるほど」と言える現実を把握し、日本流の人材評価方法を構築することが重要であると考えます。
コールセンターは「誰でもできる仕事」であることが、雇用を促進します。しかし同時に、「プロの仕事」であることを従事者が自覚し、就労を考えている人々にも広く周知することが、コールセンター業界の地位向上と就労者のESにつながるものと確信しております。そのために、「コールセンター実務者会議」として、行政はじめ関係機関に継続的に提言を行ってまいります。趣旨をご理解、ご賛同をたまわり、ご協力をお願い申し上げる次第でございます。
一般社団法人CSスペシャリスト検定協会
コールセンター実務者会議 発足委員会
▼ 本年度の活動予定
| <東京>コールセンター実務者会議 | 7月 開催予定 |
| <札幌>コールセンター実務者会議 | 8月 開催予定 |
▼第1回 コールセンター実務者検定
| 筆記試験 | 9月28日(火)〜10月7日(木) WEB上で受検 ※コールセンターにおける顧客対応力の基本が試される内容です。 |
| 記述試験 | 9月28日(火)〜10月5日(火) 問題用紙をダウンロードのうえ、上記期間内に解答用紙をメールで返信 ※コールセンターのSVの現場実現力が試される内容です。 |
| 実技試験 | 10月2日(土)、7日(木)、8日(金) 検定協会からの電話にて実施 ※コールセンターのSVの施策実現力が試される内容です。 |
| 受験料 | 18,900円 (テキスト代、コメント入り結果シート作成料含む) |
| 結果発表 | 試験終了後1ヵ月後を予定 ※成績優秀者は、ベーシックレベル合格同等とみなされ、プロフェッショナルレベルの試験を受験できます。 |
▼ コールセンター実務者検定(SVコース)記述問題 優秀解答例(2010年7月実施)
<記述問題>
記述問題は実技試験で扱う事例のSVの立場で設問に回答してください。
状況設定書5に記載のある、「3時間まで荷ほどきヘルパーを無料で派遣することを、解決案として応対者の判断において許可されている」の導入方法を現場のコミュニケータに指導する場合の展開について次の質問の簡潔に答えなさい。
- 現場での展開から適正使用ができるまでに行う指導手順・内容を記載しなさい。
例)(1)少人数での説明会・・・導入の背景を説明する
(2)スケジュール表の作成・・・各リーダーへの説明
- 導入の説明会…クレーム事例を挙げ、対応策として導入することをコミュニケータに周知する
- 導入研修の準備…コミュニケータ全員が研修に参加できるようスケジュール調整を行うスクリプト、Q&A、応対者判断の基準事例等対応スキームを作成する
- 導入研修…スクリプト研修およびQ&A、判断基準等を活用したロールプレイングを行う
- モニタリング…実践のモニタリングを行う
- 補足事項の徹底…ミーティングや班ノート、FAQ等を活用し、モニタリングによる修正事項の周知徹底、および事例の共有を図る
- この問題解決案を展開するにあたって、もっとも大切な指導ポイントを記載しなさい。
例)高齢者向けの提案なので、・・・という誤解や・・・という不満が発生することがないようにお客様の年齢確認を確実に行う。<前提>本解決案にお客様が合意されることにより、荷ほどきヘルパー(現場担当者)が動くことになる。
<二次クレーム抑止>お客様のご希望の日時とこちらの対応可能日時を確認して応対し、お客様とのお約束の日時に間違いなくヘルパーが訪問対応できるよう、入力・連絡を確実に行うこと。
(この部分を正確に行わないと、二次クレームにつながりかねない。) - この問題解決案をお客様に提案したところ、「どうして?」「なぜ?」という質問が想定されます。この場合の説明を会話文にして作成しなさい。
(お客様)「どうして最初からそのように対応しないのか、なぜ3時間だけなのか?」
(回答例)申し訳ございません。本来「楽々おまかせパック」は、HPやご契約書に記載の通り、荷ほどきにつきましては、指定の場所に箱から荷物を取り出して置かせていただくまでのご契約でございます。お客様のご要望どおりに荷ほどきを行うコースは「安心おまかせパック」となり、料金が割高となります。ただ、今回は、私どもの営業担当者の説明不足により、竹内様に誤解とご迷惑をおかけいたしました。3時間という限られた時間ではございますが、少しでも竹内様のお役に立てればと存じます。
<記述試験コメント> レベルA
バランスのよい回答です。SVとしての高い総合力を有しているといえます。補足としては以下のとおりです。
- 概ね整った内容である。テスト試行の情報による完全施行が含まれてもよい
- 指導観点としての問題はありません。さらに、クレーム対応という観点ではなく、お客様によりご満足いただくためのフォローサービスという理解を指導するとよいでしょう。
⇒顧客にとっての「非日常性」の理解を高める - 全体的に言葉に落ち着きがあり、ソフトであることに好感が持てます。「料金が割高になる」「誤解とご迷惑」という言い方は避けておきたいところです。自社のサービス全体に配慮した説明にも注意しましょう。
※コメント作成:CSスペシャリスト検定協会 代表理事 石川かおる